ウェディングドレスと6月の雨
翌日。プレゼンの朝。アパートの窓から強い日差しが差し込む。快晴。最高気温、予報は33度。私は白いブラウスに淡いグレーのスーツを合わせた。空はこんなに爽やかなのに、私の心は沈んだままだった。軽く息を吐いてローズの口紅を乗せる。
私は穂積さんを好きなんだろうか。背の高くて威圧感のある、二重瞼の瞳の持ち主。無愛想でぶっきらぼうで、一緒にいると萎縮してしまうのに。それよりも……。
穂積さんの心には彼女がいる。既婚者で、穂積さんがどんなに彼女を想っても叶うはずのない恋。それに彼女のお腹にはご主人とのあ間に授かった命が宿っている。赤ちゃん。それでも尚、彼女を好きでいる穂積さんを私が好きになってどうなる訳でもない。そんな恋が実る筈もないのに……。そう考えて穂積さんを好きになるのはやめようと思った。
私は重たい鞄を持ってアパートを出た。電車を乗り継ぎ、プレゼン会場になっている取引先の会社に向かう。その最寄り駅にあるコーヒーショップで穂積さんと待ち合わせている。どんな顔をして会えばいいのだろう……そんなことを考えてること自体、きっと私は自分か考えてる以上に穂積さんを意識してる。
私は穂積さんを好きなんだろうか。背の高くて威圧感のある、二重瞼の瞳の持ち主。無愛想でぶっきらぼうで、一緒にいると萎縮してしまうのに。それよりも……。
穂積さんの心には彼女がいる。既婚者で、穂積さんがどんなに彼女を想っても叶うはずのない恋。それに彼女のお腹にはご主人とのあ間に授かった命が宿っている。赤ちゃん。それでも尚、彼女を好きでいる穂積さんを私が好きになってどうなる訳でもない。そんな恋が実る筈もないのに……。そう考えて穂積さんを好きになるのはやめようと思った。
私は重たい鞄を持ってアパートを出た。電車を乗り継ぎ、プレゼン会場になっている取引先の会社に向かう。その最寄り駅にあるコーヒーショップで穂積さんと待ち合わせている。どんな顔をして会えばいいのだろう……そんなことを考えてること自体、きっと私は自分か考えてる以上に穂積さんを意識してる。