ウェディングドレスと6月の雨
 私は穂積さんの背中を見送る。きっとワザと……。


「ほら、行こうよ。また赤になるから」
「はい」


 横断歩道を渡る。そして私は一度振り返った。暗いオフィス街、もう穂積さんの姿は見えなかった。










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