バス停
小雨
先生は非常勤講師である。小柄で少しスーツが大きく見える。前に生徒の誰かに七五三みたいだと馬鹿にされていた。

特徴的な細い目は彼という人を限りなく冷淡にみせており、そのくせいつもはにかんだ様な薄笑いを浮かべている。だから(特に女子からは)気味悪がられて周りの生徒からの評判は悪いみたい。だからかな、不思議と仲間意識を抱いてしまう。

私は周りに友達がいない。作らないつもりではなかったけれど専門学校に去年入学してから何となく周りに人見知りしているうちに他の子はどんどんグループを作り、気付けば孤立してしまっていた。 そして話すきっかけを失ったまま時は過ぎた。
それから
レポート課題も一人。お弁当も一人。何をするのも一人。最初辛かったけど、慣れてしまえばそれはそれで楽な様に思えてきた。何も友達を作りにきている訳じゃなし。介護の勉強さえしていればいいんだ。その為に来たのだから。

そうは言っても学校と家の往復だけの毎日は一年もたつとやっぱり飽きてきた。今ではクラスの飲み会すら誘われない。
ここが潮時だろうか。
そう思い始めた時、彼との出会いは訪れた。





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