バス停
「遅いから送ります。待ってて」
彼は出入口の扉を少し開けて、手で押さえながら 私に向かって言った。
言い終わると再び彼は図書館に戻り、パソコンの電源を落として荷物を手にとると、足早に学校を出てきた。そして駐車場付近にいた私に向かって 問い掛けた。
「傘持ってますか?」 私は首を小さく横に降った。彼はバッグから折りたたみ傘を取り出すと手早く開き、私も傘に入れる様に腕を少し持ち上げさしかけてくれた。私達は相合い傘の恰好で歩き出した。
傘に当たるかすかな雨音が耳に心地よい。
「調べ物は?」私が尋ねると「あぁ別に家でもできるしいいんです。今日は学校に挨拶しにきたついでに寄ったようなものだし」その瞬間少しだけ体が触れ合った。心臓がキュッと痛む。
こんなシチュエーション本当に慣れていない。だってデートすらした事ないのだから。でも不思議と相手が大人で同年代の男性の様に不用意に人を傷つけない優しい雰囲気だからか、会話はほとんどなくとも安心がみなぎり緊張はなかった。やがて彼は私を駅舎まで送ると「じゃまた明日」と言ってバス停の方向に歩き出した。
奇跡のようなときめきの中私はその場を動けずただ立ち尽くした。
彼は出入口の扉を少し開けて、手で押さえながら 私に向かって言った。
言い終わると再び彼は図書館に戻り、パソコンの電源を落として荷物を手にとると、足早に学校を出てきた。そして駐車場付近にいた私に向かって 問い掛けた。
「傘持ってますか?」 私は首を小さく横に降った。彼はバッグから折りたたみ傘を取り出すと手早く開き、私も傘に入れる様に腕を少し持ち上げさしかけてくれた。私達は相合い傘の恰好で歩き出した。
傘に当たるかすかな雨音が耳に心地よい。
「調べ物は?」私が尋ねると「あぁ別に家でもできるしいいんです。今日は学校に挨拶しにきたついでに寄ったようなものだし」その瞬間少しだけ体が触れ合った。心臓がキュッと痛む。
こんなシチュエーション本当に慣れていない。だってデートすらした事ないのだから。でも不思議と相手が大人で同年代の男性の様に不用意に人を傷つけない優しい雰囲気だからか、会話はほとんどなくとも安心がみなぎり緊張はなかった。やがて彼は私を駅舎まで送ると「じゃまた明日」と言ってバス停の方向に歩き出した。
奇跡のようなときめきの中私はその場を動けずただ立ち尽くした。