サマー・ハプニング
「ちょっと、席はずす」
「はいよ~」
不機嫌そうな彼にパシッと手首を掴まれると連行された。
力が強くて、じんじんする。
人影が少ないところまで来ると、やっと手を解かれた。
ゆっくり、私の方へと向き直る。
表情は今も変わらぬままで。
「彼氏差し置いて、海でナンパ?」
「隼人、違っ!」
「言い訳無用」
じりじりと詰め寄る彼に、後退していく私。
砂に踏み込んだ足を取られ、ずてんと尻もちをつく。
その上に隼人が被さり、もう逃げ場はない。