(完)ずっと君といれるなら 〜 別れ 〜
「大丈夫ですかー?」


「うっす。」

「はーい!じゃあ、気分が悪くなったら言ってくださいっ!よーいっ、初めっ!」

私の掛け声でCチームのメンバーがスタートを切った。

一年生はみんなこのジョギングを死ぬほど嫌がっていた。

でも、毎日続けていくうちに何も言わなくなった。

変わったのは表情。

負けたくないって、AチームやBチームに行きたいっていう真剣な表情を浮かべるようになったのだ。

そりゃ悔しいだろうって思う。

だって、同学年の海斗はAチームで第一線で活躍しているのに自分たちは海斗にとって準備体操のようなものしか出来ないのだから。

そう思うのが当たり前だと思う。

でも、みんなも海斗もそれを口には出さない。

愚痴も零さないし、海斗はCチームのみんなを馬鹿になんてしない。

私にはくそナルシストのくせにね。

まあ、そういうのがいいなって私は思う。

才能だけじゃない世界だから。

どれだけ努力したかで決まるから。

こういうのが、世に言う 「青春」ってやつなんだろうね。

みんなで汗かいて、笑いあって、泣きあって、努力して、そういうのが、輝く青春なんだろうね。


この部活でマネージャーして本当よかった。

しみじみ思う。



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