(完)ずっと君といれるなら 〜 別れ 〜
保健室に行くには、どうしてもグラウンドを通らなくてはいけない。

そして、そうなったら海斗たちに出くわしてしまう。

そんな不安のため、俯いて歩いていると、やっぱり出会ってしまった。

「葉月?」

目の前にいるのはキョトンとした海斗と舞友だろう。

さっきまで普通だった私が俯いて蓮先輩に支えてもらって歩いているのだからそりゃあ不思議に思うだろう。

でも、今は声を聞きたくない。
顔を見たくない。

自分がもっと壊れちゃいそう。

「あー、葉月ちゃん貧血起こしちゃったみたいでさ、保健室行って寝かしてくる。キャプテンに行っといて。」

そう言って、蓮先輩はさっさと歩き出した。

私も急いでそのあとを着いて行った。

「俺が連れて行きます!」

そんな海斗の声が聞こえた。

なんでそんな期待させるようなこと言うの?

お願いだから、先輩、私を渡さないで…。

「いいよ。話してんだろ?」

蓮先輩は素っ気なくそう言って再び歩き出した。

聞こえたか分からないけど、私は小さく呟いた。

「あ…りがと…うございます。」





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