(完)ずっと君といれるなら 〜 別れ 〜
「ようし、じゃっ海斗ボイ漕ぎ!」


開き直って、明るい口調でそう言って海斗の肩を叩いた。



「機嫌治るのはえーな。てかしっかり捕まっとけよ。落ちたときは責任取らねえからな」



「落としたら許さん」



「へいへい」



やっぱり、私は海斗がそばは心地いい。



走り抜けるいつもの帰り道。



風が心地よく汗をかいた肌を撫でる。



目の前にある海斗の大きな背中。



いつだって守ってくれた背中。



回した手の力を少しだけ強めた。



「好きだよ。」



小さく呟いた声は、きっと海斗には届いてない。



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