(完)ずっと君といれるなら 〜 別れ 〜
「おじちゃーん!一つちょうだーい!」

毎年、来る人だからもう顔見知りだ。

そんなおじちゃんだから気軽に声をかけた。

「はいよっ!毎年来てくれるからサービスしてやるよ。」

「やったぁ!おじちゃん優しいー!」

笑顔が似合うおじちゃん。

こういう人大好きだなあ。

私は綿あめを受け取って、海斗はかき氷を買って、2人でベンチに座って頬張った。

甘いふわふわの綿あめ。

去年まではそうだったけど。

今年は片思いのほろ苦さがなぜか心をズキズキさせる。
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