(完)ずっと君といれるなら 〜 別れ 〜
恋の終わりってこんな簡単なんだね。

あんなに、ドキドキしたり、ムカムカしたり。

笑顔になったり、
涙を流したり、
嫉妬したり、

たくさんの新しい気持ちに出会ったのに、これで終わりか。

早いもんだったな。

私の初恋。

本当は初めから無謀な恋だったのかもしれない。

ふいにポロっと涙が零れ落ちた。

それを合図にどんどん、涙が頬を伝う。

凄い好きだったよ。

海斗のこと。

だけど私じゃあ駄目なんだね。

もう嫌だ。

「うっ、うわああああああああんっ!」

沢山の人の笑い声と、さっき始まった花火の音のせいで、私の泣き声は聞こえない。

ごめんね。

私の初恋。

叶えられなかったよ。
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