(完)ずっと君といれるなら 〜 別れ 〜
「舞友ちゃーん。」

そう言って舞友に引っ付く。
舞友はめんどくさそうに、でも優しげに微笑んで言った。

「あーも。暑苦しいー。何?」

「舞友はやっぱ部活バレー部だよねー?」

「当たり前じゃん。葉月は?」

「あたしー?私はね、サッカー部のマネージャー!」

「えっ…?なっ何で?」

そう言ったときの舞友の表情を確かにこわばっていた。

何かを心配するように、私がサッカー部に入ることを嫌がるように。

「何でって…。さあ…?」

そういえば、本当に何で入ったんだったっけ?

そう言ったまま考え込む私に舞友は呆れたようにため息をつく。


しばらく、沈黙のまま足音だけ響かせていた。

何分か歩いていると、よく知っている教室が見えてきた。

「ほら…。着いたよ。もう私、行くからね。」

そう言って自分の教室の方へ歩き出す舞友に慌てて声をかけた。

「舞友っ‼︎」

舞友は振り向き首を傾げた。

「えっと、何かあったら相談してね!」

ニコッと笑って言われた。

「葉月は頼りになんない。」

酷い!
いかにもそんな顔をして舞友を見つめると笑って言った。

「冗談ー!」

そして、駆けていった。


「何か変だと思うんだけどなあ…。」




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