(完)ずっと君といれるなら 〜 別れ 〜
極度な緊張に囚われたまま後半は始まった。

交代はなし。

得点表を書く手も震える。

頑張れ…。

みんな必死に樹兎に噛み付いてゆく。

キツそうな表情は一切見せず、ただボールを真剣に追いかけていた。

ボールを取れたとしても、すぐに取り返される。

その繰り返しがずっと続いた。

何度か、立ち上がる場面はあった。

だけど、全て溜息で終わった。

そして、後半30分が過ぎたころ。

< 238 / 274 >

この作品をシェア

pagetop