(完)ずっと君といれるなら 〜 別れ 〜
「いたーーー‼︎」

しばらく、校舎内を走り回ってやっと美玲を見つけた。

裏庭の壁に寄りかかって体育座りをしていた。

「葉月…。」

「まじビックリしたし!どうしたの?告白なんて今始まったことじゃないでしょーに。」

「私、自分がわからないのよ。」

「へっ?」

「古川君が好きなのかもしれない。」

「へええええええええええええ⁉︎」

やばい。
頭がショートしそう。

「今まで告白なんてどうでもよかったのに…。
古川君はなんか違う。
ずっと、今までも無意識に追いかけてたの。古川君の背中を。
どうしよう。こんなの始めてで。」

「うん。わかった。よくわかんないけど。好きなら言っちゃえっ‼︎
私は海斗を好きになって告白して、悔しくて何度も涙流したけど…後悔してないよっ‼︎
自分に正直になれたから。
素直に気持ちを言えたから。
人を好きになって気持ちを伝えるってものすごく難しいけど、その分得るものがある。
私には美玲がいた。
私には帰る場所が、居場所が温もりがあったから。
今も笑顔で居られる。
悲しくなったり辛くなったら私に言えばいい。
私はいつでも待っててあげる。
美玲の帰る場所になるから。」

「葉月…。」

「ふふっ。ほらっ、善は急げ!だよ。」

「ありがと。
大好きだよ。あたしの親友?」

そう言って、美玲は長いストレートの黒髪をなびかせて走って行った。

「さーて。私も戻んないと。」





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