(完)ずっと君といれるなら 〜 別れ 〜
「あっ、葉月!長かったね。画用紙は…葉月…?」

俯いたまま教室に入ると美玲が近寄ってきた。

「ごめん。画用紙とってこれなかった。
それと、私、今日用事あって。
だから帰るね。」

「葉月っ⁉︎」

「葉月ちゃん⁉︎」

美玲や、未苑ちゃん、古川君、佐田、勇気たちが心配そうに声をかけてくるが、私は無視してバッグを抱えて走り出した。

パシッ

その手を誰かに掴まれて立ち止まった。

「また1人で抱え込む気?」

美玲だった。

「何でもないから話して!急いでるの!」

「あんたの悪いところトップ1。
迷惑をかけまいと、1人で抱え込むとこ。」

「海斗とそっくりだよなー。」

美玲と古川君が真剣な目をしていう。

俯いて手を話そうとする。

だけど、私は美玲の胸の中にいた。

「ちゃんと言いなさいよ。バカ。」

「うっ…うっ…。かい…とがっ…転校しちゃ…うの…っ‼︎文化祭の日に‼︎」

「海斗君が⁉︎」

「嘘だろ…。」

「本当かよ⁉︎」

思わずぽろっと言ってしまった。
慌てて言い繕うとしたがもう無理だった。

「ちゃんと話しなさい。」

黒い笑みだ。


< 266 / 274 >

この作品をシェア

pagetop