(完)ずっと君といれるなら 〜 別れ 〜
「っし。ドリブル練習!」

「うっす!」

でかい返事をして部員たちがこっちに走ってくる。

さっき私が出したボール入れがここにあるからだ。

ボールは個人のボールを使う人もいれば部のボールを使う人もいるらしい。





さすがにちょっと疲れて溜息をついていると、翼先輩がやってきた。


「葉月ちゃんやるねー。1日でこんだけ覚えるとかまじすげーよ。」


「私、天才なんで…。」


「ははっ!性格もすげーな。やっぱ葉月ちゃんにして正解だった。」


「え?」


「実はね、サッカー部って顔がいい奴が多いいじゃん?
だからマネ希望って毎年すげー多いいんだよ」



「へえ、やっぱりそうですよね」



「でも、そういう女子ってはっきり言って役にたたないし。
ずっと断ってたんだけど、葉月ちゃんは俺たちに食ってかかるし、ある意味、新鮮。
マネになってくれてありがとな。これからよろしく」


そう言って右手を差し出してきた。
ハッとして笑って右手で握り返した。


「こちらこそ。」


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