(完)ずっと君といれるなら 〜 別れ 〜
ーーー小学1年生
「ただいま!」
「おかえりなさい。今日はケーキがあるわよ」
「本当⁉︎」
「ええ。ほら手を洗ってきなさい。満月も!」
「「はぁーい!」」
「満月!いこ!」
「うん!」
あの頃は「みんなに愛されて、頭がよくて、可愛くて、明るくて、なんでもできる葉月ちゃん」だった。
いつだって私はみんなの中心にいた。
私のお父さんはホテルやビルを経営する森山グループの次期社長だ。
残念ながら、うちには男の子が生まれず、長女の私は凄く期待を背負わされて育てられた。
お父さんはすごく厳しくて、テストが満点じゃなかったり、服を汚したり、喧嘩したりしたら平手打ちが飛んできた。
いつだって1番。
おしとやかに、令嬢らしく。
それが、お父さんの理想だった。
きちんとしないと殴られる。
そんな恐怖が私の頭に植え付けられた。
ピアノに茶道、塾に護身術。
一週間は習い事で埋め尽くされていた。
辛かったけど、お父さんの理想にならないと、いつか殺されるかもしれない。
そう思ったら、どんなことも頑張れた。
「ただいま!」
「おかえりなさい。今日はケーキがあるわよ」
「本当⁉︎」
「ええ。ほら手を洗ってきなさい。満月も!」
「「はぁーい!」」
「満月!いこ!」
「うん!」
あの頃は「みんなに愛されて、頭がよくて、可愛くて、明るくて、なんでもできる葉月ちゃん」だった。
いつだって私はみんなの中心にいた。
私のお父さんはホテルやビルを経営する森山グループの次期社長だ。
残念ながら、うちには男の子が生まれず、長女の私は凄く期待を背負わされて育てられた。
お父さんはすごく厳しくて、テストが満点じゃなかったり、服を汚したり、喧嘩したりしたら平手打ちが飛んできた。
いつだって1番。
おしとやかに、令嬢らしく。
それが、お父さんの理想だった。
きちんとしないと殴られる。
そんな恐怖が私の頭に植え付けられた。
ピアノに茶道、塾に護身術。
一週間は習い事で埋め尽くされていた。
辛かったけど、お父さんの理想にならないと、いつか殺されるかもしれない。
そう思ったら、どんなことも頑張れた。