(完)ずっと君といれるなら 〜 別れ 〜
突然後ろから頭を叩かれた。



いい気分だったのに壊しやがって。



誰だよ。



鋭い目で後ろを振り向くと、そこにはニヤニヤ笑う海斗の姿があった。




「鼻歌とかキモいんですけど」




「うるさいなー。人のやることなすことにいちいち文句つけてさあ」




「注意してやってんだろ?ちゅ・う・い!わかる?」




「馬鹿にしてんの…?」



拳を握りしめながら呟いた。



すると、海斗は呆れたような目でわたしの頭にポンっ手を置いた。




「お前、昨日昔のこと、思い出してただろ?」




「…なんでわかんのーお?」



いっつも海斗には見透かされてるんだよね。



「教えるわけねぇだろ」



笑いながら、海斗が言う。



当たり前の日常。
当たり前の時間。
当たり前の会話。



大好きな時間。



どうか無くならないで。



私の願いはただそれだけ。


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