大事に、したいのに。
ふう、と1つ溜め息を吐いて朝の廊下を歩く。
何も無いのに、鞄はやけに重かった。
少し疲れているのかもしれない。
最近、色々あったしな。
嫌なことばかりでは決して無いが。
それにしたって疲れるものは疲れる。
今までは、虚しさはあっても気苦労なんかは無かったからな。
長く人を避けるうちに、相手との距離感とかがだいぶ苦手になっていたらしい。
困ったもんだ。
足を引きずっていくと、あの子の教室に通り掛かった。
そりゃ、隣のクラスだから当然なんだが。
大して意味もなくチラッと中を見ると、窓際の席に彼女が居た。
髪に遊ばれるフワフワの髪。
窓の外に見える青空によく映えている。
クラスには他に数人の男女が居て大声で喋っていた。
しかし、そいつらも彼女も関わる気配は見せない。
ただの同じクラスの人、といった風なのだろうか。
自分も大体の人とそんな感じだから何も言えない。
思わず立ち止まって眺めていると、彼女がパッと顔を上げた。
そのまま目が合う。
ドキドキを通り越して、頭が真っ白になってしまった。
自分の心臓の音さえも聞こえない。
呼吸が止まったのだろうか。
遠くから目を合わせたままでギシッと固まる2人。
うわ、気づかれたくなかったかもしれない。
どうすればいいのか、さっぱりと分からない。
逃げたくもなる。
が、こうして互いを認識してしまっているのでそれも難しいだろう。
当たり前だ。
他人ならともかく…
恋人、なのだから。
とにかく何かアクションを起こさなければ、と片手を振って
「よぉ」
とだけ言った。
相手は頭を下げるだけだろうか、と期待値低めに思っていたのだが。
それも無かった。
彼女はバッと下を向き、俺との通信を斬ったのだ。
何も無いのに、鞄はやけに重かった。
少し疲れているのかもしれない。
最近、色々あったしな。
嫌なことばかりでは決して無いが。
それにしたって疲れるものは疲れる。
今までは、虚しさはあっても気苦労なんかは無かったからな。
長く人を避けるうちに、相手との距離感とかがだいぶ苦手になっていたらしい。
困ったもんだ。
足を引きずっていくと、あの子の教室に通り掛かった。
そりゃ、隣のクラスだから当然なんだが。
大して意味もなくチラッと中を見ると、窓際の席に彼女が居た。
髪に遊ばれるフワフワの髪。
窓の外に見える青空によく映えている。
クラスには他に数人の男女が居て大声で喋っていた。
しかし、そいつらも彼女も関わる気配は見せない。
ただの同じクラスの人、といった風なのだろうか。
自分も大体の人とそんな感じだから何も言えない。
思わず立ち止まって眺めていると、彼女がパッと顔を上げた。
そのまま目が合う。
ドキドキを通り越して、頭が真っ白になってしまった。
自分の心臓の音さえも聞こえない。
呼吸が止まったのだろうか。
遠くから目を合わせたままでギシッと固まる2人。
うわ、気づかれたくなかったかもしれない。
どうすればいいのか、さっぱりと分からない。
逃げたくもなる。
が、こうして互いを認識してしまっているのでそれも難しいだろう。
当たり前だ。
他人ならともかく…
恋人、なのだから。
とにかく何かアクションを起こさなければ、と片手を振って
「よぉ」
とだけ言った。
相手は頭を下げるだけだろうか、と期待値低めに思っていたのだが。
それも無かった。
彼女はバッと下を向き、俺との通信を斬ったのだ。