転入生は超最強魔法使い⁉︎




体術はそこまで得意じゃないけれど魔法よりアクティブだからやりがいがあるのよね

そんなことを考えながらミユは呑気にストレッチをしていた


すると1番近くにいた氷人形が3体ほど、ミユのすぐ近くへと迫った

氷人形は自ら氷のステッキを作り出し、それをミユへ振りかざしてきた



…が、



ドスッ、バキッ、ガン!!!


ミユは即座に1体目へ蹴りを入れ、2体目には回し蹴りをし、3体目には頭突きをして倒した


「冷たっ!!」

額をさすりながら言った
特訓のときにでもあまり使わなかったミユの体術を見て、サタンは少し驚いていた


『お前、特訓のとき本気じゃなかったんだな』

「うーん、私が本気を出さなきゃいけない人は魔王だけだと思うけど?」



ミユがそう真っ直ぐな眼差しで言えばサタンは一瞬、間を空けると、そうだなと一言言ってから攻撃を再開した


次々と氷人形を倒していき、残すところ10体となった


『これではすぐに倒されてしまうな。合わせてみるか…』


そう言うと、氷人形は一気に溶けて水へ変わった


かと思うとそれが合わさり、巨大な水の塊へとなり、だんだんと巨大な氷人形になった



「氷だからこそっていう魔法ね」


ドスーン、ドスーン、と一歩ずつミユの方へ歩いてくる


10mほどの高さのそれは腕も足もさっきの10倍はある


「こんなのどう倒すのよ、あっ!」



何かを思いついたような顔をしたミユが少し後ろへ下がり、助走をつけるため走り出した


タッタッタッタッ、


シュッ、と勢い良くジャンプ
だが氷人形の腰の辺りまでしか跳べなかった
そこを氷人形が拳を振りかざしミユめがけて振り下ろしてきた



ヒュン___


ガッシャーーン!!!!


鼓膜が破れるんじゃないかと思うくらいの大きな音。
ミユを直撃したかと思ったが、ミユは当たる寸前に瞬間移動で氷人形の後方へと周り込んでいた

それ故…氷人形は自分で自分の腰を思い切り破壊し、倒れた


『賢いな、お前なら力で倒すと思っていたが』


華麗に着地したミユへそう声をかける
ふふっ、と言ったミユだったが腕に一箇所切り傷が出来ていた



「はぁ…私もまだまだね。あー疲れた!サタン〜アップルパイが食べたい」


『私を使うな。』





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