Lovers〜僕等の恋物語〜
先輩、恋しました。
「真澄(マスミ)ちゃーん」
バスケ部の練習を見学した後、体育館を出ようとすると、聞きなれた声に呼び止められた。
「........」
振り向くと、やはりアイツ。
「真澄ちゃん、練習身に来てくれたんやな。ありがとう」
まるで、私がコイツを見に体育館に行ったような言い方に、少し腹が立つ。
「別に、葵(アオイ)君を見に行ったんとちゃうし」
誤解しんといて、そう付け足して目を逸らすと
「知ってるよ、先輩やろ?」
葵君は全て見透かしたような目で私を見据えた。