あなたと私の花言葉
予想以上に高かったトーヤ君の体温。
「ちょっと待っててね、トーヤ君。」
音を立てないように私は早歩きで
洗面所に向かい、ポッケに入っていた
ハンカチを濡らし、
トーヤ君のおでこにあてた。
「んっ」
いきなり冷たいハンカチを
あてられたからか、トーヤ君はぎゅっと
目をつむってゴロン、と私の方へと
寝返りをうった。
「…っトーヤくっ…ん!?」
そしてハンカチに添えていた私の手を
グイッと引っ張り、私をベッドの中へ
連れ込んだ。
「っちょ…!どうしたのトーヤ君っ」
すぐ目の前にはトーヤ君の顔。
いつもは感じることがないトーヤ君の
体温とか息遣い、閉じられた目のまつ毛が
長いこととか、鼓動の音。
力強く私を抱き寄せる手と腕。
意外にも筋肉質で改めてトーヤ君が
大人の男の人だと分かった。
私にとっての初めてが一気に襲ってきた。
このままだとショートしてしまいそう。
こんなにもトーヤ君が近い。