引き立て役よさようなら(番外編追加)
2

家鍵と夕飯

幸せな時間というのはあっという間に終わる。
達央と本当の意味での恋人になった優花だが
相手は人気バンドのヴォーカル。

有給がある訳でもなく、テレビに出ていないから暇という訳でもない。

今日はflybyのバンドスコアの監修で出版社の方との打ち合わせだ。
flybyの曲は全て達央が作っているからこんな仕事があっても
不思議じゃないけど
やっぱりこういった職業の人たちって見えてない部分も非常に忙しいという事が付き合ってわかった。

この他にも雑誌のインタビューやら先日のライブで初披露となった
新曲「守りたいもの」が再来月シングルカットされるらしく
それのレコーディングやPV撮りやら・・・
とにかく忙しくデートだっていつできるのか未定だ・・・
承知の上で付き合っているとはいえ
せっかくの休みに優花は一人本屋で
flybyが表紙の音楽雑誌をじーっと見ていた。
どんだけ寂しい女なのだろう。

表紙に文句を言ったったところで周りから変な人呼ばわりされる事間違いない。
優花は手に取っていた雑誌を棚に戻すと
料理本のある場所へと移動した。

初めて達央と朝を迎えた時に
優花は冷蔵庫に入ってた食材で朝食を作った。
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