引き立て役よさようなら（番外編追加）
手にのせられたものは鍵だった。
「せっかく俺のために本を買ってくれたなら活用しないと・・・」
「え？・・・」
優花が達央をみあげると達央はぐっと顔を近づけ優花にだけ聞こえるこえで囁いた。

「４時間後くらいには家に着くから・・・ご飯作って待ってて欲しいんだけど」
そう言うと優花が買おうとしていた料理本を手に取りレジへ向った。

驚きながら達央のいるレジの方を見ると、達央はマンガと料理本の会計をしていた。
優花が慌ててレジに向かうが会計は済んでいた。

そして達央は買った本の袋を優花に差し出した。
「俺のマンガも入ってるからよろしくね。」
「え？！あっ・・でも」
「夕飯楽しみにしてるよ」
そういうと背を向け手をヒラヒラさせながら店を出て、路駐していた車の助手席に乗った。
優花が慌てて店を出た時にはもうその車はなかった。

優花は達央から受け取った鍵と本の入った袋をギュッと握りしめた。

・・やばい！鍵もらっちゃった。
夕飯作って彼の帰りを待つとか・・・・ドラマみたいじゃないの！
だがすぐに我にかえった。
「やばい！そんな事よりスーパーだよ。」
優花はそのままスーパーへと向かった。
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