引き立て役よさようなら(番外編追加)

不安なWデートとflybyの過去

朝からとにかく落ち着かない。
その理由はあれよあれよと決まった、Wデートというのか4人での食事会。
優花からしてみればWデートだなんてウキウキした気分とは程遠い
ものだ。

それに優花と美由紀を除く男性2人の考えてる事もわからない。
美由紀には申し訳ないがこの2人の男たちが今日、何を思い、何を考えて
このWデートに挑むのか皆目見当がつかない。

それよりも優花自身は、願いが叶うのならば、今日なんかなくなればいいと
ぎりぎりまで考えていた。

こういう嫌な時に限って時間はとても早く過ぎるもので
気がつけば、あと30分で待ち合わせの時間だ。
優花は更衣室で何度目かの溜息をつくと
肩を落とし、ロッカーの扉を力なく締めると鍵をかけて
重い足取りで会社を出た。

そしてもう一人優花とは真逆で背筋をピンと伸ばし、この日に全てを賭けてきました
というオーラ全開で軽やかな足取りで会社を出た美由紀。

< 124 / 320 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop