引き立て役よさようなら(番外編追加)

どうしても好きになれない

「お久しぶりです」
会場である店の個室に案内されると桜沢が座っていた。
達央は遅れるかもしれないと予測していたが、まさか桜沢が
いるとは思わなかった。
入り口の前で突っ立ていると
「何か言いたい事がありそうな顔してるみたいだけど・・・
とりあえず座ったらいかがですか?」
言い方は丁寧だがなにか含みのある言い方が優花には
不快だと感じた。

余裕の笑みの桜沢に対し、徐々に顔が強張る優花は桜沢と
視線を合わせないように座った。
もちろん隣でも向かい合わせでもない。

「今日は美由紀に頼まれて参加しましたが、あの時の話を
彼女の前ではしないでください。お願いします。」
感情のない声で箸に視線を向けながら優花は言った。
「彼女の前では話さないように・・・って事は、君の彼氏は
知っている訳ね・・・ふ~~ん」
「知ってちゃ悪いですか?あんなことしておいて・・・」
「聞き捨てならないな・・・あれはお礼でしょ?」
悪びれもせず淡々と話す桜沢に優花はそのイライラを貯め込むように
ギュッと拳を握った。
「はぁ?あれはあなたが勝手にした事でしょ?。
お礼なら他にいろいろ出来ました。それなのに・・・・」
桜沢がわざと挑発するように言っているのか、
それとも素で言ってるのか優花には桜沢の事が全くわからない。。
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