引き立て役よさようなら(番外編追加)
どれだけなっているのだろう。
別に喧嘩していた訳でもないのだけれど
妙な緊張感が襲う。
今まで一度も連絡くれなかったのに・・・
自分が電話をかけるときは私が出るまで
鳴らし続けるんだ・・・・
「我儘・・・・」
そう呟くと
電話に出た。
「もしもし・・・」
『あー!やっと出た。ごめん。仕事中だった?』
「家だよ」
『なんだ・・・でもよかった出てくれて』
「はい」
何でこんな嫌な返答しかできないのだろう。
3週間ぶりの声にうれしい気持ちはあるのに
心とは裏腹に返す言葉には刺々しさがある。
『ごめん・・・怒ってるよね・・・』

怒ってないよ。って何で言えないんだろう
やっぱり・・・私は怒っているんだ・・・
何で?連絡くれなかったから?
自分で自分がわからなくなる。
返事を返せないでいると
『本当にごめん。俺、仕事に夢中になると周りが見えなくなるって言うか・・
・・・っていい訳だよね。尚也にも言われた。俺・・・優花に甘えていたんだよね』
尚也に言われるまで気がつかなかった・・・
この人はどれだけ音楽バカなんだろう。
そう思ったらなんだか怒っているのもバカバカしくなった。
私って音楽に嫉妬していたんだ・・・・
優花がフッと笑った。
『優花?』
「ごめんなさい。私はどうやら音楽に嫉妬していたようです。」
『いやいや・・悪いの俺だし・・・でさ・・・前の約束だけど・・」
約束?
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