引き立て役よさようなら(番外編追加)
夕食を終えると部屋に戻らずそのまま駐車場へと歩き出した。
「今から行くの?」
「はい・・・今日のメインイベントですからね。楽しみにしていてくださいね」
そういうと車に乗り込んだ。
ホテルを出ると
山の方へと向う。
舗装されているが外灯などはない・・・カーブも多く
鹿の飛び出し注意の標識も見える。
だが優花の表情は穏やかだ。
逆に達央の方が外をきょろきょろしたり
標識を見ては反応し・・・普段見せない達央の表情に
優花の口元も緩みっぱなしだった。

しばらく走ると目的地に着いた。
そこは何もない場所だった。
あったとしても小さな小屋の様な建物が1つあるくらいで
草原と言った感じだ。

車のエンジンを止めると優花がちょっと待っててと言って
後部座席からブランケットを取りだし
何やら小屋の近くの地面にブランケットを敷き戻って来た。
「達央さん。降りていいんだけど外灯もないので足元に気をつけて
下を向いて歩いてください」
「下を?」
「はい」そういうと優花は達央に手を差し伸べる。
達央はその手を握ると優花の言う通り下を向きながら歩き出した。
「ここ・・・牧草地みたいなんですよ。昼は昼で景色がすばらしいんです」
「そうなんだ・・・じゃあ明日もう一度来たいな・・・」
優花はうれしそうに頷いた。
ブランケットの敷いてある場所まで足を進めた。
「達央さんここに寝転がってください。目を瞑って」
「寝転がる?・・・え?もしかしてここで何かエッチな事でも?」
達央の言葉に優花は驚きながらも
「もう・・・そんなじゃないです。いいから早く、目は閉じて!」
少しだけ怒った言い方に達央は笑顔で、優花の言う通り目を瞑りながら
寝転がった。
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