引き立て役よさようなら(番外編追加)
「川久保君・・・」
「浩太でいいよ」
・・・・高校の時もなんかこんな事言われた様な気がする。
でもあの時は頑なに川久保君と呼び続けた事を思い出した。
「さっき曲を聴かせてもらったけど・・あれって文化祭で
歌った曲じゃない?」
「・・・・憶えてたんだ」
「すぐにはわからなかったけど・・・ハハハ」
「お前正直すぎ」
浩太はフッと笑うととても優しい眼差しで優花を見つめた。
見つめられたことに驚いて
「な・・何?何かついてる?」
明らかに何かがついてるのを見つけた時の顔じゃない事は
わかったがそれしか返せなかった。
「ん?目と鼻と口・・・」
急にぶっきら棒な言い方をすると浩太は再び車窓に視線を向けた。

しかし、世間は狭い。
こんな都会で同級生に会うとは思ってもいなかったし
同級生が達央の後輩バンドとは
なんて呑気に構えていた。
呑気にね・・・
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