引き立て役よさようなら(番外編追加)

達央の正体

「え?彼氏ができた?」
優花はどうしても果絵にだけは話をしたくて仕事帰りに果絵の
マンションに寄っていた。
「・・・成り行きというか・・・・一目惚れって言われて・・・」
「合コンで・・・だよね?」
怪訝そうな顔で優花に尋ねた。
「合コンの日に知り合ったけど、その人は合コン相手じゃないんだよ。」
それから優花は付き合うまでのいきさつを説明した。
それまでちょっと心配そうにしていた果絵だったが
「今までにないタイプだね。・・・・
これで一応合コンを断る理由が出来たって点は合格ってとこかな」
果絵のお墨付きをもらって少しホッとした。
「それでその人どんな人よ・・・・名前は?」
優花はスマホを取り出しアドレスを開き果絵に差し出した。
「名前は大野達央・・これで、たつひさって読むんだって。
32歳で自由業・・・・知ってるのはそれだけ・・・」
「大野達央・・・自由業?」
果絵の顔色が変わった。そして何やら眉間にしわを寄せ
ぶつぶつと呟いてた。
「果絵ちゃん・・・どうしたの?」
優花の声に果絵はハッと我に帰る。
「ご・・ごめん。その人、自由業の中身は?」
「中身は知らない。でも果絵ちゃんどうしたの?知ってる人?」
果絵は何となく言いにくそうにしていた。
「実はさ…私の好きなバンドのヴォーカルと同じ名前
だからびっくりしたのよ。きっと同姓同名だと思うけど・・・」
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