引き立て役よさようなら(番外編追加)
達央達の演奏は3曲連続で続く。
どの曲もみんなが彼らの奏でる音と声に全身で楽しんでる。
優花もいつの間にか1ファンとしてみんなと同じ様にライブを楽しんでいた。
3曲目が終わるとベースの尚也のMCが始まった。

「みんな~~!今日はflybyのライブに来てくれてありがとう!」
尚也の言葉に会場の歓声が上がる。
「初めっからみんなテンションあがってて僕たちもうれしいけど
ライブは始まったばかりなんで自分の体力とよく相談してテンションの配分
考えてね~~」

そこで会場が笑いに包まれる。
中には「大丈夫だよ!!」とか「俺ら若いからOKだよ」
と返事が返ってくる。
尚也が達央の方を見て何か言えって目で訴える。
達央は口に手を当てはにかみながらマイクスタンドまで近づき。
「若いっていいね。その若いパワーをもらって・・・俺らもがんばります」
会場からは黄色い歓声が聞こえてきた。
「たつ~~!」
「達頑張って」
それからまた3曲ほど連続で演奏された。
どの曲も優花の好きな曲だ。
横にいる果絵も凄く楽しんでいるのがわかる。
尚也がベースをチェンジしている間、達央がMCをはじめた。
「え~~っと・・・実は今日がツアーの最終日です。・・・2か月ほどかけて
全国を回ってきましたが・・・最後って言うのはやっぱり寂しいもんですよね。
でもね・・やっぱり最後にふさわしく今日は今までで一番みんなのノリがいいです。」
再び割れんばかりの歓声が響き渡る。
その歓声にありがとうと答えると少し深呼吸をする姿がスクリーン越しに見えて
優花は息を飲んだ。
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