引き立て役よさようなら(番外編追加)
果絵を送り届けると再び車は動き出した。
「・・・・・・」
「・・・・・・・」
久しぶりに無言が怖いと思った。
やっぱり怒ってる?バックミラー越しに目が合うのが嫌な優花は
視線を落とし、目を会わせようとしなかった。

車はもちろん達央のマンションへと向かっている。
本当なら達央は打ち上げか何かに参加していたはずだった。
それなのに・・・
「あ・・あの・・・達央さん?」
「何?」
果絵の時とは違って何だか怒っている様な返事に
優花の気持ちが沈んでしまう。
何がそうさせたのか優花には理解できないでいた。
ライブが終わった後に連絡が入っていた訳でもないから
待つ必要もないと思ったし、きっと打ち上げだろうと思っていたからだ。

「戻ってください。打ち上げに・・・」

本当は・・・
戻らなくてもいいんですか?打ち上げに・・・って言おうと思っていた。
でも達央の態度に言い方を変えてしまった。

「俺・・大事な話があるって言ったよね」

さっきよりも冷たさを感じる。
「じゃあ・・・今から話してください。」
すると達央は急に車のスピードを上げた。
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