引き立て役よさようなら(番外編追加)

挑発

こんな偶然ってあるのだろうか・・・
優花たちは桜沢から少し離れた場所に座った。
さっきまで凄く楽しかったのに嫌な緊張感が走る。
しかも顔を見るなり
『あっれ?彼女って・・・・優花ちゃんだったっけ?』
って言うあたり今回のスキャンダルの事を知っていたに違いない。
何もなきゃいいけど・・・
優花は目の前に差し出されたお水を一気に飲み干した。

「あの・・・珍しいとこでお会いましたね」
無視するわけにもいかないから優花が思い切って話しかける。
「そうだね・・・この近くに知り合いの病院があってね、時々手伝ってるんだ。
今日はその帰り・・・そういう君たちはー デート?それとも気分転換って
とこかな?」
まるで全てを見透かされている様だった。

何も知らないママが3人に話しかけた。
「あら・・あなた達お知り合いなの?」
「知り合い・・・というよりは恋敵ってとこかな?」
桜沢は優花に視線を向けそのまま達央にも視線を向けた。
優花は慌てて下を向き、達央は桜沢の視線を逸らすように
メニューを見ていた。
「ま~~そうなの?で?桜沢君は・・・」
ママの目は好奇心の塊だった。
「敗者だよ。みりゃ~わかるでしょ」
桜沢は手に持ってたビールを一気飲みすると口角を上げた
「でも・・・これからどうなるかはわからないよ。もしかしたら
 奪い返せるかもしれないしね・・・・ねっ?サブロ―君だったけ?
それとも・・・達だったかな?」
まるで挑発する様に視線を達央へと向けると
ずっと黙ってた達央が桜沢を睨んだ。
「何が・・・いいたい。さっきからべらべらしゃべりやがって・・・
言いたい事があるならはっきり言えよ」
声は大きくないが桜沢に対する敵対心は半端なかった。
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