引き立て役よさようなら(番外編追加)
その瞬間周りから大歓声が聞こえた。
優花は訳がわからずきょろきょろすると、スタジオの奥にはたくさんのスタッフがいた。
そしてその奥から
「カーット!OK」と大きな声が聞こえた。
優花は訳がわからずあたふたすると

flybyの尚也が花束を抱えながら近づいてきた。
「尚也さん・・・これは・・」
尚也はニヤッと笑うと花束どうそと優花に差し出す。
まだ状況を理解できてない優花は花束を受け取りながら
達央と尚也の顔を交互にみる。
「まず・・・達のプロポーズは嘘じゃないから。本当の事だからね。
 そしてここはスタジオ・・・実は俺達はここでPVを撮っている。いや、いた。」
「はい・・・」
「アルバムと同時にシングルカットされる曲は『color』」
「・・・・・」
今まで黙っていた達央が優花を見つめ、そして
「今まさに今PVを撮っていたんだ・・・」
「・・・そうなんだ・・へぇ・・・え?えええええ!」
嘘でしょ?え?いつから
「優花ちゃんがここに入ってからずっと・・カメラは回っていた。」
「なんで?」
「これが達なりのけじめ・・part2ってとこ?」
もう訳がわからない。
だが尚也は一生懸命達央のフォローをしている。
「2人の素の姿を見たら誰も文句言わないよ。何てったって
達のさっきの顔は普段絶対見れないレアもの。最愛の人にしか
向けないあの顔だ。もちろん編集して
優花ちゃんの顔は見えない様にするから大丈夫。どうしたら
ファンの人達がわかってくれるかっていろいろ考えた結果
だったんだけど・・・・ダメなら・・・そのー」
ここまで言われて・・・ここまでたくさんのスタッフを巻き込んで
NOと言えますか・・・
「しょうがないですよね。そんな彼を好きになっちゃったんですから・・」
またも周りから歓声が上がる。

すると
「馬場さん!もうこれで撮影はOKだよね」
監督の馬場がOKのサインを出すと
「じゃあ・・いい加減2人きりになりたいんで俺帰ります。」
達央は優花の手を掴むとスタジオを後にした。
 
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