引き立て役よさようなら(番外編追加)
ただ一身上の都合と言うだけだった。
優花が会社を辞めると言う事は美由紀の耳にも入って、
最後の昼食を果絵と過ごしていると
鼻息荒く美由紀が現れた。
「ちょっと!どういう事なの?辞めるって・・・私聞いてないよ」
「いや・・・教えてないから知らないよね」
真顔の果絵が突っ込みを入れた。
美由紀はほっぺたをぷ~っと膨らましながら
不満を露わにした。
その顔を見て果絵が口角を上げ
「どうせあんたの事だから、合コンでの引き立て役がいなくなる~~って
 思ってんでしょ?」
「引き立て役!・・・ってそ・・そんなこと思ってないもん!」
今の美由紀の発言にはさすがの優花も笑わずにはいられなかった。
だけどある意味、この引き立て役のお陰で達央と出会う事が
出来たと思うと美由紀には少しばかり感謝しておいた方がいいのかとも思った。
「もういいよ~果絵。美由紀も、だまっててごめんね。明日から有給消化に
入るから今日が最後なんだ。」
「優花・・・まさかあのサブローと結婚とか?」
とたんに果絵が肩を震わせ笑いを堪えた。
優花は笑う果絵を隠す様に手を目の前で左右に動かした。
「違うから・・・それ違うから」
何が違うのかよくわからんが、とりあえず達央に関係するものは
表にだせないから否定しまくった。
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