引き立て役よさようなら(番外編追加)
「じゃあ・・・俺先に行くから」
達央は肩腕で優花を引き寄せるとおでこにちゅっとキスをし、
一足先に会場へと向った。

達央が出かけた後、優花は残った家事をこなし
出かける準備に取り掛かった。

ちょうど支度が整った頃、マネージャーの横田が迎えに来た。
地下の駐車場で待っている横田の車に乗ると
そこには意外な人も一緒に乗っていた。

「よっ!久しぶり。」
車の後部座席に座ってたのは優花の同級生でもあり、flybyの後輩でもある
fellowのヴォーカル・ギターの川久保浩太だった。
「お・・・お久しぶりだね」
会うのは久しぶりだ。最後に会った時、優花は川久保に好きだと言われ、逃げるようにして
その場を立ち去った。
何とも後味の悪い別れ方だった為、久しぶりの再会に驚きを隠せなかった。
そんな優花の様子をみていた横田が説明を始めた。

「今日のライブを見学したいって浩太がいうからさ~連れてきたんだ。
 こいつら半年後に武道館ライブが決まったんだよ。」
武道館でライブをやると言う事が凄い事だということは、音楽に詳しくない優花でも
わかり、凄い!おめでとうとテンションが上がってしまった。
そんな優花の喜ぶ顔に川久保も照れながらありがとうと呟く。
「今日は武道館ライブを控えてる浩太が先輩達のライブを見ることででいろいろと
吸収出来るものがあるんじゃないかって僕も思ってね・・・」

照れながら横田の話を聞いてた川久保が優花の名前を呼んだ。
「桐谷・・」
「何?」
「武道館ライブ・・・見に来てくれよな・・達さんと一緒でもいいから」
優花は力強く頷くと川久保の成長を心から祝福した。
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