引き立て役よさようなら(番外編追加)

GO!

控室では唯が仁王立ちで達央を待っていた。
「おそーい!みんなもう準備出来てるのに何やってんの?さっさと着替えてここに座んなさい!」
「はいはい・・・すんません」

唯にはかなわないといった様子で達央は、渋々着替えを手に奥の部屋へ入って行った。
優花は自分のせいで達央が怒られたと思い、申し訳ない気持ちで唯に頭を下げた。
「忙しい時にいなくなってごめんなさい」
だが、そんな優花を唯はにっこりと笑っていた。
「優花ちゃんが謝る必要ないって・・・達の場合はいつものことだから・・・」
「いつも?」
「そう~いっつも最後なのよ。ま~~ああ見えて誰よりも緊張してんだけどね。
 私が今みたいにきつい言い方するのはわざとしてんの・・・だから気にしないで。
・・・それより・・・ちょっとここ座ってくれない?」
肩をがしっと掴まれ、やや強制的に座らされると唯は優香の首にケープをかけ始めた。
「え?・・・唯さん?」
なんでこんな事をされるのかわからず、優花があたふたしてると
「せっかくの記念ライブなんだから、優花ちゃんも綺麗にしてあげる」
耳元で囁きながら鏡に映る私を見てニコッと笑うと、優花の前髪を左右に分けヘアクリップで前髪を止め、
優花の顔にメイクを施し始めた。

ドキドキしながら自分の顔が変わっていく様子を見ていると、いつの間にか
メンバーまでもが優花の周りに集まってきた。
「お~~優花ちゃんめっちゃかわいくなってんじゃん!」
尚也がニヤニヤしながら鏡越しの優花に話しかけると唯が睨みつける。
「しっしっ邪魔邪魔!部外者はあっちに行ってなさい」
尚也も達央同様唯には逆らえない様で、少し離れた場所からあっかんベーをしながらスタッフの元へと戻って行った。
だけどそんな光景が優花には新鮮で緊張がほぐれる様だった。
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