引き立て役よさようなら(番外編追加)
打ち上げが進む中急に達央が立ちあがった。
「ごめん!ちょっとみんなに話がある」
達央は優花に視線を向けこっちに来てと優花を呼んだ。
あんなに賑やかだった店の中が達央の一声で
静まりかえった。

「今日はお疲れ様でした」
みんなも一斉にお疲れさまと返した。
「今日はみんなのお陰でとても素晴らしいライブになり本当に
 感謝してます。途中ヒヤヒヤしたところもあって
 マジで倒れそうになったよ。俺倒れたら洒落にならないような
 体型なんで、頼むからこれからは事前に頼むよ。
 って言うのは冗談で、まさかみんなの力を借りて
 彼女桐谷優花さんとの事をとてもいい形で発表出来た事
 本当に感謝してます。それでせっかく仲間が祝福してくれるって
 事なんでー」
達央はジーンズのポケットから紙を出してみんなにそれを見せた
周りからはおおお!と歓声が上がる。
優花からはちょうど見えず首をかしげると達央が優花の方に身体ごと向けた。
そしてその紙を見て目を見開いた。
「こ・・これ・・・」
達央は頷いた。
「今日ここにいるみんなが俺達のためにあんなサプライズをプレゼント
したんだから、そのみんなに証人になってもらいたいっておもってさ・・・」
達央の持っていた紙は婚姻届だった。
「もちろん、優花のご両親からはOKもらってるよ。だから・・・
 桐谷優花さん、大野優花に・・・なってもらえませんか?」
静まりかえるなか私は涙をぐっとこらえながら強く頷いた。
そしてみんなの前で震える手を何とか抑え記入欄を埋めていった。
< 305 / 320 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop