引き立て役よさようなら(番外編追加)
果絵は驚きを隠せない様子で口に手を当て目を見開いた。
そして部屋には2人しかいないのにも関わらず
「病院には行ったの?ってか達は知ってるの?もうつわり来ちゃったの?」
と小声で矢継ぎ早に質問する。
その様子が芸能レポーターの様でなんだかおかしくって優花はクスクスと笑った。
だけど果絵からすると大真面目だ。有名なバンドのヴォーカルを夫に持つ親友に
赤ちゃんが出来たのかもしれないのだ。
「もう~こっちは真面目に聞いてるの!で?どうなの?」
「病院には行ってない。ここに来る前に検査キットで調べたら陽性反応がでたの。
だからまだ達央さんは知らないの」
「えええ?!本当に」
果絵は達よりも自分が先に知ってしまったことに驚きを隠せなかった。
「ちょ・・ちょっと私が先とかいいの?ここはやっぱり先に
 達に知らせるべきじゃ・・・」
心配する果絵に優花は首を横に振ると、時計をちらりとみた。
「ううん、もうすぐライブが始まるし・・・明後日には帰ってくるから
明日にでも診察してもらってちゃんとした結果が出た上で、電話じゃなくて
直接報告したいんだ」
優花は幸せいっぱいの笑みを浮かべた。
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