引き立て役よさようなら(番外編追加)
また言われてしまった。
初めて出会った時も同じことを言われた。
あの時はちょっと悔しくて反論しちゃったけど
2回目ともなると反論の余地なし。
「今日は人に言われたくないとは言わないんだね。」
「2回も言われるって事は本当に馬鹿だから・・・」
「馬鹿って言われないための俺じゃなかったかな?
俺が彼氏じゃだめなのかな?」
「ダメじゃない。ダメじゃないけど・・・
こんなくだらない事って思ったら何も言えなかった。」
優花の言葉に達央の顔が変わった。
「くだらないって・・・誰が決めるの?
くだらないかどうかなんて自分で決めるもんじゃない。
俺は他人に自分の音楽がくだらないって思われたって、
自分がくだらないって思ってないから歌い続けてる。
くだらないって決めつける前に俺に聞けよ。
俺が電話に出るまで鳴らし続けろよ。」
「だって・・・あなたとは住む世界が違うから・・・」
「は?」
「あなたが普通のサラリーマンとかだったら・・・
きっと何度も電話したわよ。
だけどあなたは違うじゃない。合コンに参加するかどうかを
忙しいあなたに聞ける訳ないじゃない。
実際レコーディングや取材なんかで2週間も会えなかった
あなたに何を頼めるの?」
つい…本音が出てしまった。
優花は怒りで赤くなった顔を見られたくなくって顔を逸らした。
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