引き立て役よさようなら(番外編追加)
何なの?さっきから・・・優花は達央に振り回されっぱなしで
面白くない。
面白くないんだけど優花は達央のいるブースに入った。
ブースの中に入ると壁に大きな紙が貼られていた。
そこには曲のタイトルが約20曲ほどが書かれていた。
何度か練り直したのだろう、曲名に斜線が引かれてあったり
曲順を変えたためか矢印がいろんな方向に書かれていた。
「セットリスト・・・決まったんですか?」
「・・・・まだ本決まりじゃないけどね・・・この7曲目と8曲目の間に
何か入れたいなーって思ってたんだけど・・・いいのが思い浮かばなくてね・・・」
達央は溜息をつきながらギターを弾きはじめた。
達央が弾きだした曲は優花がポータブルオーディオプレーヤーで
聴いた曲の中で一番気に入ってた曲だった。
「その曲・・・」
「・・・・・え?」達央の手が止まった。
「その曲・・好き」
すると達央は改めて優花の好きだと言った歌を歌いだした。
優花の気に入った曲は・・・・不器用な男の一途なラブソングだった。
ストレートな愛情表現は少ないんだけど・・・
メロディーがやさしくて、達央の声で癒されるそんな歌だった。
達央は歌い終わるとセットリストの書いてある紙に
今歌った歌を書きこんだ。
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