引き立て役よさようなら（番外編追加）
「遅れてごめん」
会場に着くと各席の最前列で３人がフェンスにもたれかかりながら
顔だけ向けた。
「おっせーなー。彼女と会ってたとか？」
尚也が口を尖らせた。
「そんなじゃねーよ。スタジオに忘れ物取りに行っただけ。」
尚也はどうでもよさそうな声でふーんと言うとまたステージに目を向ける。
ステージではスタッフがバタバタと作業に追われている。
「１時間後にリハね。」
ステージが出来上がっていくのを４人で黙って見ていた。
みんな明日のライブを凄く楽しみにしているのがよくわかる。
「そういえば・・・・彼女さん・・・優花ちゃんだっけ？彼女くるんだろ？」
翔の言葉に尚也が反応する。
「そりゃーそうでしょ？あんなにラブラブなのに達が自分のライブに彼女呼ばない訳がない」
ニヤニヤ顔で尚也は達央をみる。
達央は勝手に言ってろとでも言いたげな顔で尚也を睨んだ。
すると達央のスマホにメールが届いた。
相手はもちろん優花だった。
「明日のライブ楽しみにしてます。」
たったそれだけのメールだったが達央にはうれしいメールだった。
ライブ前日だから忙しいのだと思ってのメールだと思ったからだ。
達央のうれしそうな顔をメンバー３人は顔を見合わせて微笑んでいた。
それから間もなくスタッフがやってきた。
「そろそろリハ始めれそうなんで準備お願いします」
その言葉に４人は大きく背延びをした。
「いきますか～」
尚也の一声でメンバーはリハーサルのためステージに上がるのだった。
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