引き立て役よさようなら（番外編追加）

その言葉に優花は勢いよく顔を上げる。
「・・・・何いってるんですか？」
「何って？事実を言ったまでだけど？」
口角を上げ優花の反応を楽しむかのように言う
「違います。」
優花は桜沢を睨むが
「へ～違うの？じゃ～彼は一体だれなのかな？」
「彼の名前はサブロー君。年齢は３０歳でゲームショップの店員ですが？」
まさかこんなことであの別プロフィールが役立つとは思わなかった。
だが桜沢の優花を疑う目は消えない。
「う・・嘘だと思ってるんですか？」
「・・・どうだろう・・・僕は大野君だと思ったんだけどね・・・」
絶対嘘だと思ってるよ！
かっこいいけどこの人とはかかわりたくないと思った。
「もしかしてそんな事を言うためにわざわざ店にまで来てくれちゃったんですか？」
嫌みたっぷりに言い返すが医者だけに？口が達者と言うのか・・・
「それだけって訳じゃないよ。もう一度君を口説こうとおもったけどね・・・だけど今日はやめておくよ・・・」
そういうと優花に乾電池を差し出した。
「なんですか？」
「何ですかはないんじゃない？俺こう見えてもお客なんだけど・・・
電池を買いに来たんだよね。・・・よろしくね桐谷さん」
桜沢の憎らしいほどの笑顔で渡された単三電池のお得パックを受け取ると
優花はこれでもかという営業スマイルで
「ありがとうございます。それではレジまでご案内いたします」
と言って桜沢をレジまで案内するとすぐにレジ担当に乾電池を渡した。
「ありがとうございました。」
と深々と頭を下げそそくさとバックヤードに入っていった。