引き立て役よさようなら（番外編追加）

優花が田舎から初めて都会に来た時の驚きと同じくらいの衝撃だった。
それと同時に自分はとんでもなく場違いなとこに来ているのでは・・・
そんな気持ちになり、足取りが重くなった。
それでも家の前までだまってついていったが、鍵を開けようとした時
「凄いところに住んでるんですね・・・・」
つい本音が出てしまった。その言い方は凄く素敵！と言うよりは・・・・
どちらかと言うと有名人はよくわからないと言うような感じだ。
「・・・・こういうとこに住んでるのは嫌？」
まるで優花の心を読み取ったのではと思うような言い方に
優花は次の言葉を発せなくなっていた。

達央は優花の言葉を待たず鍵を開けた。
ドアを開けると、優花の背中を押すように中に入った。
優花は小さな声で、おじゃましますと言って靴を脱ぎ家にあがった。
自分のアパートでは考えられないくらい長い廊下があり、その先にリビングがあった。
そこには大型テレビ、大きなソファー、大きな棚にはＣＤ，本、ＤＶＤがびっしりと詰まっていた。
そしてテレビの横にはテレビゲーム機とゲームソフトがこれまたびっしり詰まっていた。
他にアコースティックギターがソファーに無造作に置かれていた。
もっとおしゃれで余分なものが何もない・・・・そんな部屋を想像していたが
ここはまるで男子高校生の部屋をでっかくしたようなそんな部屋で、
なんだかさっきまでの強張ってた表情が自然と柔らかくなっていた。
優花がリビングでじーっと部屋を見ているのが不思議に見えたのか
「ねー。なにボーっと突っ立ってんの？なんか変なものでもあった？」
優花の顔を覗き込むものだから優花はびっくりするのだが
思わず笑ってしまった。