引き立て役よさようなら(番外編追加)
「ご・・ごめんなさい。なんか達央さんの部屋が達央さんらしくって・・・」
優花の緊張が解けたのがわかり、達央は首に手を当てながら苦笑いをした。
「ここへはあんまり帰らないんだよね・・・・どちらかと言うとスタジオの方にいる事が多いんだけど
今日は久しぶりに帰って来た。」
確かに達央はスタジオにあるあの仮眠室やキッチンの方が
似合っているように思えた。
「どうして?」
「それ聞くの?・・・誰にも邪魔されない場所はここしかないって思ったから・・・」
それが何を意味するかは優花でもわかった。
優花がドキドキするには十分ないい方だ。
「とりあえず・・・シャワー浴びてきていい?実はライブが終わったあと
さっと身体を拭いただけなんだ。」
優花は黙って頷いた。
「TVをみててもいいし、ゲームでもいいよ。そこのソファーに座っててよ」
そう言うと達央はそのままバスルームに行ってしまった。
一人になった優花は目の前の大きな生成りのソファーに腰掛けた。
自分の座ったすぐ隣にはアコースティックギターが置いてあった。
・・・・このギターでさっきみたいな素晴らしい曲が作られるんだと思うと
なんだか感慨深くなる。
優花はギターの弦にそっと触れると指で弦を弾いた。
ポーン・・思っていたいよりも大きな音にびっくりしてして
指を引っ込めた。
・・・・どうやったらいろんな音が奏でられるのだろう・・・・
そんな事を思いながら優花はギターを眺めていた。
「なーにしてるの?」
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