引き立て役よさようなら(番外編追加)
優花の後ろから聞こえてきた声にビクっとした。
そこにはシャワーから出てきた達央が立っていた。
「・・・・このギターからあんな素敵な歌が作られるのかと思ったら
なんだか凄いなーって・・・」
「凄いでしょ~」
達央はにっこり笑うとそのままキッチンへと行ってしまった。

しばらくして戻ってきた達央の両手には缶ビール
優花は慌てて立ちあがると、何か手伝うことはないかと尋ねた。
だが達央は大丈夫と言って再びキッチンに行き
今度は出来合いで悪いけどと言いながら
チーズにサラダ・・・そしてかわいらしいピザをソファーの前にある
ローテーブルに置いた。
何も手伝いが出来なかった事が恥ずかしくって
ごめんなさいという優花に達央は、自分がしたくてやったから
謝らないでと言った。
達央は優花の隣に座ると
「とりあえず乾杯しますか・・」と缶ビールを開けて1つを優花に渡した。
「ライブ本当にお疲れ様でした、乾杯」
よく冷えたビールが喉を通っていくのがわかる。
「あ~おいしい・・・」
そう言って飲む姿を達央は黙って見ていた。
達央の視線に気がつき、慌ててビールをテーブルに置く。
「あれ?飲まないの?」
「何か私だけが凄く飲んでるみたいで・・・お疲れ様は達央さんの方なのに・・・」
「俺は・・・優花の飲んでる姿、好きだけどな・・・」
達央は口元に笑いを浮かべた。
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