私がお嬢様をやめる時
「ま、まて…
菜々穂…何を作ろうとしてる…?」
怯える水嶋。
あの豪邸とは似ても似つかない
マンションのキッチンで
私は料理を作ろうとしている。
「何って…ロールキャベツ。」
私は料理本を水嶋に見せた。
水嶋は私の持ってる野菜を奪い取り
「これはキャベツか?」
と聞いてくる。
「キャベツでしょ?」
「違う!これはレタスだ!!」
「えっ!?」
こんな会話は日常茶飯事。
どれがフライパンで
どれが鍋かもわからなかった。
私はお嬢様だったんだから。