私がお嬢様をやめる時
休日の2日間
私は水嶋と一切会話しなかった。
水嶋はそんな私など
気にするそぶりもなく
淡々といつもの業務をこなしている。
その態度が余計に腹立たしい。


「行ってらっしゃいませ。」


いつものように正門で見送られる。
私は無視して清美たちの元へ向かう。


「あ!菜々穂!おはよう。大丈夫?」


玲奈は私を心配してくれていた。



「金曜はごめんね。大丈夫だよ。」

私たちのやりとりを見て
何も知らない清美は


「え?なに?何かあったの!?」


と私の腕を引っ張る。

ええ…ありましたとも。
あなたが帰ったすぐ後に…
一部始終を説明すると


「菜々穂も悪いのよ!?
自分が
お酒に弱いって知ってるんだから!
あいつ、絶対あのまま菜々穂をホテルに
連れ込むつもりだったのよ。
爽やかな笑顔で油断させたわね。」


「ごめん、玲奈。」

水嶋と
同じようなことを玲奈に言われる。
こうやって
感情を露わにして起こってくれれば
私だって素直に謝るのに。
< 27 / 129 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop