私がお嬢様をやめる時
「俺さ、菜々穂ちゃんの
ちょっとツンとした感じ
すっげぇ好きでさ。」

家ではツンでは済まない位
お嬢ですけどね…
そんなに見られてたのに
なんで気がつかなかったんだろう。

「もしよかったら山崎くんじゃなくて
恭平って呼んでくれないかな?」

少し照れながらお願い!と両手を合わせ
またハンドルを握る。

「わかった。」



恭平はすごく話しやすかった。
会話の広げ方がうまかった。
多分すごく頭がいいんだと思う。

普段水嶋と単語だけで
やり取りしているせいか
男の人とこんなに盛り上がって話すのは
久しぶりだった。

というより
こんな会話な上手な男の人初めてかも。


「恭平ってモテるでしょ。」

そう。これだけ会話がうまいってことは
女の子と遊んでる可能性が高い。
合コンにこういう人がいると
すごくモテる。


「多少モテるような男じゃないと
菜々穂ちゃんに
相手してもらえないっしょ。
菜々穂ちゃんだってモテるでしょ?」

やっぱり返しがうまい。


「男の人ってさ
みんな私と清美はスルーで
玲奈にいっちゃうからさ。」


「玲奈?あぁ、工藤か。
工藤は男たくさんいるんでしょ?
俺そーゆのムリだわ…
てか俺は菜々穂ちゃん一筋だから。」


本当この人はっきり言うな…
なんか
聞いてるこっちが恥ずかしくなる。
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