私がお嬢様をやめる時
水嶋の眼鏡は割れ
顔は腫れ上がっている。
口の横からは血を流していた。

私はハンカチで水嶋の血を拭き取る。

水嶋は私の手を掴んだ。


「無事でよかった…」

そう言って
私を抱き寄せた。
私は水嶋の胸に顔を埋めた。

「菜々穂!!」

騒ぎを聞きつけて
玲奈と清美が走ってきた。


「ごめんね。
菜々穂の相談軽く流して。」

清美は泣きながら私に抱きついた。


「水嶋さん、うちの車呼んだから
それで帰って。
菜々穂の車は後で運ばせるから。」

玲奈はそう言って
私と水嶋を立ち上がらせた。

やっと
やっと素敵な彼氏を見つけたと
思ったのに…

今度こそ本気で好きになれると
そう思ったのに…
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