私がお嬢様をやめる時
「山崎、退学だって。」
数日後
私たちは大学終わりにカフェにいた。

「当然だよ!
水嶋さんのこと
ボコボコにしたんだから。」

清美はまだ腹の虫が
おさまらないようだ。

「なんか聞いた話によるとね
今まで付き合ってた女の子たちの中にも
似たようなことで暴力振るわれてた子がいたみたい。
怖くて誰にも言わなかったから
噂にもならなかったのね。
いわゆるDVね。

でも、菜々穂に片想いしてたのは
本当みたいよ?

ま、もうこうなっちゃったら
どうでもいいことだけどね。

それより水嶋さん
わざと手を出さなかったんでしょ?」

玲奈の言うとおり。
水嶋はわざと手を出さなかった。

あの場であいつを取り押さえるなんて
簡単だった。
でも、それだと私の身の安全が
保障されない。

もしかしたら今回の腹いせに
もっと
ひどいことをしてくるかもしれない。

だから、

わざと暴力事件にして退学に持ち込めば
あいつの親も世間体を気にして
この辺りには住めなくなる。

私からあいつを遠ざけるために
わざと手を出さずにボコボコにされた。
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